最近、「ブルーライトを運動前に浴びることで運動能力が向上する」という興味深い研究論文が発表されました。この話題は、私たちが普段使っているスマートフォンやパソコン、テレビなどから発せられるブルーライトと、運動パフォーマンスとの関係について深掘りしたものです。
ブルーライトの意外な働き
ブルーライトといえば、睡眠の質を下げる悪者として知られている一方で、体内時計を調整する役割や、目覚まし時計の代わりに使われるなど、ポジティブな面も持っています。実際に、強いブルーライトを約30分浴びることで、認知機能が向上したという報告もあり、その効果は一概に悪いとは言えません。
研究の概要:被験者のグループ分けと光の条件
今回の実験では、平均25歳の男性を対象に、以下の3つのグループで効果を調べました。
- 1HEXグループ:運動前に1時間ブルーライトを浴び、その後も運動中に浴び続ける
- 2HEXグループ:運動前に2時間ブルーライトを浴び、その後も運動中に浴び続ける
- 1Hグループ:運動前に1時間ブルーライトを浴びるが、運動中は浴びない
さらに、各グループには照度の異なる2種類のライトが使われています。
- ブルーライト(4420ルクス):強い照度のブルーライト
- 一般的な室内照明(230ルクス):通常の明るさのライト
このように、光の強さや浴びる時間を変えることで、運動パフォーマンスにどのような違いが出るのかが検証されました。
研究結果:長時間かつ強いブルーライトでパフォーマンスが向上
40分間のエアロバイクを行った結果、2時間強いブルーライトを浴びたグループが最も高い運動量を記録しました。おおよそ、弱い光を浴びた場合と比べて約8%もパフォーマンスが向上したというデータが出ています。
一方、1時間だけブルーライトを浴びたグループでは、統計的に有意な差は見られませんでしたが、全体的には「光は強いほど、また浴びる時間が長いほど運動能力が高まる」という傾向が明らかになりました。
研究者は次のように述べています。
- 強い光を長時間浴びることで、運動のパフォーマンスが向上する
- 特に、40分程度の中強度の運動でブルーライトが有効なパフォーマンス向上の手段となる
この効果が長距離ランニングなど他の運動にも当てはまるかどうかは今後の研究課題ですが、少なくとも、エクササイズ前に太陽の光や強いブルーライトを浴びることで運動効果が高まる可能性が示唆されています。
補足:筋トレへの効果は?
なお、「ブルーライトは筋力トレーニングにも効果があるのか?」という点については、現時点では否定的なデータも存在しています。このトピックについては、また別の機会に詳しく取り上げたいと思います。
まとめ
- 強いブルーライトを運動前に長時間浴びることで、パフォーマンスが向上する可能性がある
- 特に中強度の有酸素運動で効果が見られた
- 日光やブルーライトをうまく活用することで、エクササイズの効果を最大限に引き出せるかもしれない
運動前の新しいルーティンとして、ブルーライトや太陽光を意識的に取り入れてみるのも良いかもしれません。
コメント