脳の外にある知性を活かす方法とは?
アニー・マーフィー・ポール著『拡張された精神(The Extended Mind)』は、「知性は脳の中だけにあるのではない」というユニークな視点から、思考力や判断力を高める方法を紹介する一冊です。
著者は、私たちの思考には「身体」「環境」「社会」といった脳の外のリソースが深く関わっていると主張しています。
3つの“脳の外”の知性
- 身体的認知
体の動きやジェスチャーが思考力を後押しする。たとえば、難しい問題に取り組むときに体を動かすと、創造性や理解力が高まる可能性がある。 - 状況的認知
作業する場所や周囲の環境が思考に影響する。カフェで仕事をしたり、自然の中で考え事をすると、アイデアが出やすくなる。 - 社会的認知
他者とのやりとりが思考の質を高める。難しいスキルは他人を模倣することで習得しやすく、創造的な思考にはチームでの協働が有効。
「身体的認知」を高めるには?
身体の変化(呼吸・心拍・筋肉の緊張など)に気づく力=内受容感覚がカギになります。これはストレス対処や的確な意思決定にも役立つとされ、瞑想やボディスキャンなどの実践が有効です。
無意識の知性を引き出すには?
人間は意識していないうちに、経験をもとにパターンを蓄積しています。ある実験では、参加者は説明できないのに、ターゲットの動きを的確に予測できるようになりました。これは、無意識の情報が身体感覚を通じて“直感”として表れている例です。
まとめ
知性を高めたいなら、「考える=脳だけの仕事」と思い込まないことが重要です。身体や環境、他人との関係を積極的に活かすことで、思考の幅と深さが大きく広がる可能性があります。
次回はさらに身体的認知を深める方法について掘り下げていきます。
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