M:お金

「幸せをお金で買う」

心理学が教えるお金の使い方

今回は、心理学の視点から「お金の使い方」を考える一冊
**『「幸せをお金で買う」5つの授業』(エリザベス・ダン&マイケル・ノートン著)**をご紹介します。

著者のダン氏は、ブリティッシュコロンビア大学の心理学教授。
科学的な根拠に基づいた「お金で幸せになる方法」を、実験データとともにわかりやすく解説してくれています。


5つの授業:お金を「幸せの源」に変えるには?

本書で紹介されている「幸せをお金で買う5つの授業」はこちら。


1. 経験にお金を使う

人間の脳は、「モノ」よりも「体験」に対して幸福感を長く感じやすいという特徴があります。

たとえば高級バッグよりも、友人との旅行やライブのほうが長く記憶に残り、後から思い返すたびに気分が良くなることが多いです。

さらに、たとえその体験が当時はあまり楽しくなかったとしても、時間が経つと「いいネタ」になり、ポジティブに捉え直されることも。
「誰かと一緒に体験する」ことも、幸福感をより高めるコツです。


2. 新しいことにお金を使う

人は「慣れ」によって幸福感が減少してしまいます。
新車や高級家具を買っても、すぐに“当たり前”になってしまうんですね。

そこでポイントになるのが、日常の中に“ちょっとした新しさ”を取り入れること
旅行やアクティビティのような大きなことでなくても、
いつもと違うお茶や新しい香りの石けんなど、身近な「小さな変化」でも十分です。


3. 時間を買う

心理学の研究では、時間の余裕がある人ほど幸福度が高いことがわかっています。

「ヒマな時間を増やせばいい」という話ではなく、
「自分には時間のコントロール権がある」と感じることが大切です。

そのためには、たとえば以下のような選択が有効です:

  • 面倒な家事を外注する
  • 通勤時間を短くする
  • テレビの時間を減らし、家族や友人と過ごす時間を増やす
  • ボランティア活動に参加して「意味のある時間」を過ごす

4. 支払いは先に済ませておく

脳科学的に見ると、人は「支払い」に痛みを感じます。
クレジットカードのような“後払い”は、この「痛み」を鈍らせるため、つい使いすぎる原因にも。

一方で、支払いを先に済ませておくと「もう払ったから無料で楽しめる!」という感覚が生まれ、幸福感が高まることがわかっています。

また、前払いのほうが無駄遣いを防ぎ、結果的に支出が少なくなる傾向もあるそうです。


5. 他人のためにお金を使う

もっとも幸福度が高まるお金の使い方が、「他人のために使う」こと

たとえば、

  • 友人にちょっとしたプレゼントを贈る
  • おごる
  • 寄付をする
  • 困っている人に手を差し伸べる

など、自分のためではなく「誰かのため」にお金を使うことで、自分自身の幸福感も大きくアップします。

所得にかかわらず効果があるとされており、裕福でなくても十分に実践可能です。


まとめ:お金の使い方次第で幸福度は変えられる

本書は、単なるお金のテクニック本ではなく、「人が本当に幸せになるにはどうすればいいのか?」という問いに対して、心理学的な視点からアプローチした一冊です。

同テーマの入門書としても読みやすく、具体的な実験や事例も多く紹介されています。
「お金=幸せ」とは限らない時代だからこそ、
「どう使うか」が重要になるのかもしれませんね。


興味を持った方は、ぜひ手に取って読んでみてください。
幸福のヒントが、きっと見つかるはずです。

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