「なぜお金持ちになれないのか?」を探る診断テスト「KMSI-R」の紹介
「お金で幸せは買えない」とはよく言われるものの、多くの研究が示しているように、年収700〜800万円までは収入と幸福度が比例する傾向にあります。やはり、ある程度の経済的なゆとりは人生にプラスの影響を与えるようです。
潜在的な「マネースクリプト」があなたの行動を左右している
経済的な問題を考える際、重要な概念となるのが「マネースクリプト」という心理的要因です。これは、お金に対する無意識の信念体系を指し、幼少期の家庭環境や親の考え方に大きく影響されるとされています。
この概念は金融心理学の分野で広まり、近年では複数の研究により、金銭的な意思決定や消費行動に密接な関係があることが実証されてきました。たとえば次のような信念がマネースクリプトに該当します:
- 「私はお金にふさわしくない」
- 「お金があればすべてが解決する」
- 「お金は使うよりも貯めるもの」
- 「お金こそ人生の意味だ」
こうした信念は、ビジネスや日常生活での判断に大きな影響を与えるため、自分がどのような「スクリプト」を持っているかを把握することが重要です。
4つの代表的なマネースクリプトタイプ
現在の研究では、マネースクリプトは大きく以下の4つに分類されています。
- お金嫌い派
豊かさを「欲深さ」や「腐敗」と結びつける傾向があり、「お金=悪」という無意識の認識を持つ人たち。 - お金大好き派
お金があれば自由と幸せが手に入ると信じる。結果として、過度な労働や浪費に陥りやすいタイプ。 - お金は地位の象徴派
お金の多寡が人の価値を決めると考え、他者との経済的な比較に敏感な傾向を持つ。 - お金に警戒派
「お金は貯めるべき」「収入を他人に明かすべきではない」といった信念が強く、極端に慎重な金銭感覚を持つ。
自分のスクリプトを診断してみよう:「KMSI-R」テスト
ここでは、自身がどのタイプのマネースクリプトを持っているのかをチェックできるテスト「KMSI-R(Klontz Money Script Inventory – Revised)」を紹介します。このテストでは、32の文に対して1〜6の範囲でどの程度当てはまるかを評価していきます。
スコアのつけ方:
1=強く反対
2=反対
3=やや反対
4=やや賛成
5=賛成
6=強く賛成
1.他の人が私よりお金を持っていないときには、私が大金を手に入れるわけにはいかない。
2.金持ちは強欲だ。
3.金持ちになる人は、他人を利用している。
4.私は大金を持つのにふさわしい人間ではない。
5.善良な人は、お金に関心を持つべきではない。
6.金持ちでありながら、善人のままでいるのは難しいことだ。
7.お金がないほど、いい人生だ。
8.お金は人を堕落させる。
9.金持ちになるということは、昔の友人や家族とは距離ができるということだ。
10.もっとお金があれば、物事はもっとよくなる。
11.もっとお金があれば、もっと幸せになれる。
12.貧乏のまま幸せになるのは難しい。
13.お金はいくらあっても足りない。
14.お金は力だ。
15.お金があれば、私の問題はすべて解決する。
16.お金があれば、自由が手に入る。
17.ほとんどの貧しい人は、お金を持つに値しない人間だ。
18.愛とお金のどちらかを手に入れることはできても、両方を手に入れることはできない。
19.私は新品でなければ買わない(例:車、家)。
20.貧乏人は怠け者だ。
21.お金は人生に意味を与えるものだ。
22.自分の価値は、自分が持っているお金の量に等しい。
23.「最高」でないものは、買う価値がない。
24.人間の成功は、稼いだ金額で決まる。
25.自分がいくらお金を持っているか、いくら稼いでいるかを、他人に教えてはいけない。
26.他人に資産の量や、年収を聞くのは間違ったことだ。
27.お金は使うものではなく、貯めるものだ。
28.トラブルが起きたときのために貯蓄することは大切だ。
29.みんな自分自身でお金を稼ぐべきであり、他人から金銭的なサポートを受けるべきではない。
30.緊急時のための貯金がないと、神経質で不安になってしまう。
31.たとえ時間がかかっても、何かを買う前には、いつも一番お得なものを探すべきだ。
32.自分のためにお金を使うのは贅沢だ。
診断とスコアの読み解き方
テスト結果は、以下の4つのカテゴリごとにスコアを合計し、平均点を出して判定します。
● お金嫌い派(設問1〜9)
- 平均2以下:問題なし
- 平均2〜3:軽度の傾向あり
- 平均3〜4:中程度の影響あり
- 平均4以上:強く影響を受けている可能性あり
(同様に他の3カテゴリも診断)
マネースクリプトは、意識しないうちに人生の選択肢を狭めてしまうことがあります。まずは自分の考え方のクセを知ることから、経済的な自由への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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