公衆トイレで最も清潔な場所は「便座」だった――意外な研究結果
ピサ大学の研究によれば、公衆トイレにおけるウイルス汚染の実態には、多くの人が抱いている常識とは異なる側面があるようです。研究チームは、オフィスビルおよび病院のトイレ環境を調査し、感染リスクの高い箇所を洗い出しました。
その結果、次のようなことが明らかになりました。
- トイレを流した際に飛び散る水滴のうち、約80%にウイルスが含まれている
- 床の約70%がウイルスに汚染されている
- 特に便器周囲1.8メートル以内の床は、最も汚染度が高いゾーンである
つまり、トイレ使用後に水を流す際、目に見えない水しぶきが空中に舞い、床面にウイルスを広げてしまうというのです。
さらに、床以外にも注意すべきポイントとして以下の箇所が挙げられています:
- トイレットペーパーホルダー
- 荷物置き用の棚
- ドアノブ
- 蛇口などの水道まわり
とくに蛇口やドアノブは、多くの人が触れるにもかかわらず、見落とされがちな「ウイルスの温床」となっているようです。
一方で、多くの人が不衛生だと感じやすい便座は、実際には最も清掃が徹底されやすい箇所とのこと。プロの清掃員が念入りに手を入れるため、結果的にトイレ内で最も清潔な場所となっていることが多いそうです。
利用時の注意点
こうした調査結果を踏まえると、公衆トイレを使用する際には次の点に注意することが推奨されます:
- 便座よりもドアノブや蛇口に触れる際の衛生管理に気を配る
- 衣類を整えてから水を流すことで、水滴の飛散リスクを減らす
- 床に落ちたものは除菌してから使用する
公衆トイレは日常的に利用する空間であるだけに、正しい知識を持つことで不必要な感染リスクを軽減できます。便座の清潔さが最も高いという事実は意外かもしれませんが、だからこそ他の部分への意識がより重要になってくると言えそうです。
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