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運動能力は「生まれ」か「育ち」か?

「才能の地図」でも紹介していますが、人の特性――たとえば知性や性格など――は、生まれ持った遺伝子に大きく左右されます(ただし、それで人生のすべてが決まるわけではないので、詳しくは「才能の地図」をご参照ください)。

実は、こうした「生まれつきの特徴」は、性格だけでなく身体能力にも影響します。走る速さ、ジャンプ力、心肺機能、バランス感覚など、身体をどれだけ自在に使えるかも、遺伝の影響を強く受けると考えられています。

では、身体能力はどのくらい「遺伝」で決まるのでしょうか?

運動能力に関する最新の研究

ヘルシンキ大学などの研究チームが行った興味深い研究があります。この研究では「運動能力は生まれと育ちのどちらがより重要か?」を調べています。

研究対象は、ポルトガル在住の6歳〜18歳の双子198組。内訳は、一卵性双生児(完全に同じ遺伝子)78組と、二卵性双生児(遺伝子の半分が同じ)120組。彼らに対して、以下の15項目の体力テストが行われました:

テスト内容一覧:

  • フラミンゴ・テスト(片足バランス)
  • プレート・タッピング(反応速度と素早さ)
  • シット・アンド・リーチ(柔軟性)
  • 左右別のシット・アンド・リーチ
  • 立ち幅跳び(瞬発力)
  • 握力テスト
  • 腹筋
  • 懸垂のキープ(ベント・アーム・ハング)
  • 5m×10回シャトルラン(敏捷性)
  • 12分間ラン・ウォーク(持久力)
  • トランク・リフト(体幹)
  • カールアップ(部分腹筋)
  • 腕立て伏せ
  • 20メートル・シャトル・ラン(心肺持久力)

これらは、筋力、柔軟性、心肺機能といったさまざまな身体能力をまんべんなく測れるテストです。

研究から分かったこと

  • 身体能力の遺伝率は**52%〜79%**で、かなり高い。これは、身長や子どものBMI(体格指数)の遺伝率と同程度、またはそれよりやや低いくらい。
  • 異なるテスト同士の相関は「控えめ〜中程度」。つまり、あるテストが得意でも他の能力も高いとは限らない。
  • 最も他のテストと関連が薄かったのは「トランク・リフト」。体幹を使う動きは、他の運動能力とはやや別ものと考えられそう。
  • 最も他と相関が高かったのは「腕立て伏せ」「立ち幅跳び」「20mシャトルラン」の3つ。これらは総合的な体力チェックにも使えそう。

さらに、能力別に見ると:

  • スプリントやジャンプ系のパワー能力は、持久力よりも遺伝の影響が強い。つまり、100m走は「才能」がものを言いやすい一方、マラソンなどは「努力」がより重要かもしれません。
  • 意外にも、**柔軟性(シット・アンド・リーチ)有酸素持久力(12分間ラン・ウォーク)**も遺伝の影響が強い傾向にある。

「体が硬いのは遺伝か……もうあきらめようかな」と思ったくなる結果かもしれません(笑)。

でも、あきらめるのは早い!

とはいえ、こうした研究が示すのは「スタート地点の差」であって、「どこまで伸びるか」までは分かりません。たとえ遺伝に恵まれていなくても、努力でかなりの部分はカバーできます。実際、トレーニングの成果を引き出す力も一部は遺伝に関係しますが、それとパフォーマンス自体を決める遺伝子とは別のものとされています。

まとめ

この研究を通じて、私は「腕立て伏せ」「立ち幅跳び」「20mシャトルラン」の3つのテストが、体力チェックの中でも特に重要だと再認識しました。

皆さんも、自分の身体能力の参考にしてみてくださいね。


ご希望があれば、さらに短く要約したり、図解風にまとめることもできます。どのような形式がお好みですか?

つきの特徴」は、性格だけでなく身体能力にも影響します。走る速さ、ジャンプ力、心肺機能、バランス感覚など、身体をどれだけ自在に使えるかも、遺伝の影響を強く受けると考えられています。

では、身体能力はどのくらい「遺伝」で決まるのでしょうか?

運動能力に関する最新の研究

ヘルシンキ大学などの研究チームが行った興味深い研究があります。この研究では「運動能力は生まれと育ちのどちらがより重要か?」を調べています。

研究対象は、ポルトガル在住の6歳〜18歳の双子198組。内訳は、一卵性双生児(完全に同じ遺伝子)78組と、二卵性双生児(遺伝子の半分が同じ)120組。彼らに対して、以下の15項目の体力テストが行われました:

テスト内容一覧:

  • フラミンゴ・テスト(片足バランス)
  • プレート・タッピング(反応速度と素早さ)
  • シット・アンド・リーチ(柔軟性)
  • 左右別のシット・アンド・リーチ
  • 立ち幅跳び(瞬発力)
  • 握力テスト
  • 腹筋
  • 懸垂のキープ(ベント・アーム・ハング)
  • 5m×10回シャトルラン(敏捷性)
  • 12分間ラン・ウォーク(持久力)
  • トランク・リフト(体幹)
  • カールアップ(部分腹筋)
  • 腕立て伏せ
  • 20メートル・シャトル・ラン(心肺持久力)

これらは、筋力、柔軟性、心肺機能といったさまざまな身体能力をまんべんなく測れるテストです。

研究から分かったこと

  • 身体能力の遺伝率は**52%〜79%**で、かなり高い。これは、身長や子どものBMI(体格指数)の遺伝率と同程度、またはそれよりやや低いくらい。
  • 異なるテスト同士の相関は「控えめ〜中程度」。つまり、あるテストが得意でも他の能力も高いとは限らない。
  • 最も他のテストと関連が薄かったのは「トランク・リフト」。体幹を使う動きは、他の運動能力とはやや別ものと考えられそう。
  • 最も他と相関が高かったのは「腕立て伏せ」「立ち幅跳び」「20mシャトルラン」の3つ。これらは総合的な体力チェックにも使えそう。

さらに、能力別に見ると:

  • スプリントやジャンプ系のパワー能力は、持久力よりも遺伝の影響が強い。つまり、100m走は「才能」がものを言いやすい一方、マラソンなどは「努力」がより重要かもしれません。
  • 意外にも、**柔軟性(シット・アンド・リーチ)有酸素持久力(12分間ラン・ウォーク)**も遺伝の影響が強い傾向にある。

「体が硬いのは遺伝か……もうあきらめようかな」と思ったくなる結果かもしれません(笑)。

でも、あきらめるのは早い!

とはいえ、こうした研究が示すのは「スタート地点の差」であって、「どこまで伸びるか」までは分かりません。たとえ遺伝に恵まれていなくても、努力でかなりの部分はカバーできます。実際、トレーニングの成果を引き出す力も一部は遺伝に関係しますが、それとパフォーマンス自体を決める遺伝子とは別のものとされています。

まとめ

この研究を通じて、私は「腕立て伏せ」「立ち幅跳び」「20mシャトルラン」の3つのテストが、体力チェックの中でも特に重要だと再認識しました。

皆さんも、自分の身体能力の参考にしてみてくださいね。

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